歯の変色が気になると来院。ホワイトニング希望。20代男性。コロナが心配で、イソジンで毎日何回もうがいしているとのこと。
確かに着色汚れが大量に付着しており、かつ歯自体も黄色く見えます。しかしホワイトニングが必要かどうかはこの段階ではわかりません。歯の専門的な清掃で本人の納得できるレベルまできれいになればそれが一番良いと思います。余計な費用も掛からないし、薬剤に由来する知覚過敏のリスクもありません。初診来院時に説明や検査を行い、かつこれだけの汚れを取ることは困難だったため、日を改めて来院してもらい、清掃を行いました。
ということで、エアーフロー(細かい粒子を水と空気圧で噴出し、歯をきれいにする道具)、超音波スケーラーを用いたスケーリング(超音波で振動する器具、硬い汚れ、歯石を除去する)、ポリッシング(研磨材とゴムのカップやナイロンのブラシを使って歯の表面を磨く)を行いました。
清掃前と清掃後。歯並びはおいといて、きれいな歯をされてますよね。本人もこれで十分というので、ホワイトニングなしで終了となりました。イソジンなど、洗口剤は種類によっては着色の原因になります。
ホワイトニング希望で来院されて、清掃したらそれで満足した、という人は結構いらっしゃいます。歯の色自体を白くしたいなら医療用のホワイトニングが必要ですが、まずは着色汚れを極力落とし、自身の歯の本来の色を確認してから検討されるのがよいかと思います。ホワイトニングは知覚過敏など多少なりのリスクを伴いますが、清掃は、歯がきれいになって、口臭も減って、虫歯や歯周病のリスクも下げてくれるし、良いことづくめです。ホワイトニングを検討される際は、まず清掃を行うのがよいと思います。ただ、汚れを取ることで本来あった知覚過敏が顕在化したり、汚れや歯石が取れたスペースに物が挟まりやすくなることはあり得ますが、だからといって汚れで隠してても仕方ない、ですよね。