ホワイトニング希望 知覚過敏が出なかった症例

30代女性の患者さんです。ホワイトニングを希望されました。

ホワイトニングは、虫歯や歯周病の治療と異なり、病気の治療とは異なるため、そこまで積極的に患者さんには薦めていません。しかし、審美性は歯の大切な機能の一つで、歯に対するコンプレックスは精神面や社会性に影響を与えることも事実です。事実、セラミックスの歯を数本入れるよりも、ホワイトニングのほうが審美面への影響は大きく、喜ばれることも多いです。

しかし気を付けなければいけないことは、ホワイトニングには知覚過敏のリスクがとても高いということです。そのは勝率は30%程度から60%との報告もあり、多くの場合、患者さんは程度の差はあれど、痛みを我慢してホワイトニングを受けているという事実です。必ずリスクと天秤にかけて、検討するようにしてください。

今回紹介する患者さんは、それほど強い知覚過敏が出なかった方です。知覚過敏が強めに出た症例も載せますので、ご参照ください。

日本人の歯はもともと黄色みが強いので、そんなに変な色ではないですが、確かにホワイトニングをすればきれいになりそうに見えます。時間はかかりますが、知覚過敏のリスクが少なく、後戻りも対応しやすいホームホワイトニング(費用¥66000(マウスピーストレー上下、ホワイトニング材12本約24回分)追加薬剤は¥1500/本)。

シェードガイド(色を見るガイド。写真は条件によって色が違って見えてしまうので、このサンプルと色を比較してホワイトニングの効果を比較する)は左からA1, 2, 3, 3.5。この方は縞模様ですが、A3か、A2くらいでしょうか。

術後一か月。ほぼ毎日使用している、知覚過敏はないとのこと。シェードはA1くらい。もっと白くしたいとのことで、追加薬剤を15本購入(¥22500)。

さらに一か月後。週に3日くらい使っている、白さはすでに満足しているとのこと。後戻り(ホワイトニングで白くしても加齢とともにまた黄色くなってきてしまう。目的の白さよりも少し白めにして、色が落ち着くのを待つ。また、定期的に薬剤を購入して白さをコントロールする)も考えて、最初は月に3~4回程度ホワイトニングを継続してもらう。

術前

治療開始後3か月。治療終了後、痛みとか本当になかったですか、と聞いたら、痛いときもあったのでペースを落としていたそうです。二日に一回くらいだと知覚過敏が出なかったのでそうしていたと。上下交互にホワイトニングする人もいますし、皆さん自分なりのやり方を見つけられる方が多いです。

日本人は歯が黄色っぽく、ホワイトニングに興味のある方は約7割。その一方でホワイトニング経験者は10%程度。関心のない人はやる必要は全くないと思いますが、興味はあるけど未経験の人は一度かかりつけの歯医者さんで相談されるとよいと思います。またホワイトニングした人は、歯の清掃もより一生懸命になる傾向がある気がします。少なからず苦労してきれいにした歯を、きれいなまま維持したいと思うのは自然なことかもしれません。セルフホワイトニングのサロンも増えています。それぞれにメリットがあると思いますからご自身に合うものを選ばれるのがよいと思います。まあ、本当は医療機関で行うもののほうが良いとは思いますけど、提供している側だからそう思うのかもしれないです。

参考サイト;歯のホワイトニングに関する意識調査|国産歯科メーカー株式会社ジーシー (gcdental.co.jp)

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